岩下登の健康のツボ 〜疲労回復や健康維持に役立つ方法〜
 

第18回 症状とツボ 〜その17 小児の症状1〜

 みなさん、こんにちは。岩下です。
 やっと暖かくなったかと思えば寒くなったり、夏のように暑くなったりで、体調管理が難しいこの頃、みなさまいかがお過ごしでしょうか?ゴールデンウィークも終わり、少々お疲れの方もいらっしゃるのではないでしょうか。日本でも各地で大雨や竜巻など、異常気象で被害が出ており、また、交通事故も多発し、尊い命が奪われる、とても心が痛む出来事が続けざまにおこっています。ご冥福をお祈りすると共に、この様な事が起こらないよう、早急に対策が整備されることを強く願っています。
 今月は「こどもの日」がありましたので、小児の症状に関するツボをご紹介したいと思います。

 2回に分けて小児の症状に対するツボをご紹介したいと思います。
 今回は「夜泣き(疳虫)」と「小児喘息の発作予防」を取り上げます。
 夜泣きとは、字のごとく、夜中泣き止まない状態をいいます。
 疳虫とは、昼夜問わずかん高い声を出して暴れたり、突然人や物を噛んだりとヒステリックな状態を起こすことを言います。夜泣きも疳虫の症状のひとつとして紹介されることが多い様です。
 小児喘息は、呼吸する時に「ヒューヒュー」という、呼気性呼吸困難(息を吐くことが難しい呼吸困難)が明け方に起こるのが特徴です。発作が起こると、起坐呼吸(座った姿勢でテーブルやクッションなどにうっかかって少し前かがみになる)でないと呼吸がしづらく、睡眠がうまく取れない状態にもなります。
 いずれも、本人だけでなく、親御さんも睡眠不足になってしまうと言う共通点があります。
 薬物での治療(特に小児喘息の発作時)もとても大事ですが、普段からツボを刺激して、予防することも有効だと思います。
 是非試してください。スキンシップにもなります。

〜 ★小児のツボの刺激法★ 〜
 小児のツボは、皮膚の表面に存在します(加齢と共にツボが深部になります)。ですから、小児に対するツボの刺激は、「さする」が原則です。赤ちゃんや幼児は優しくさすってあげてください。幼稚園児や小学生は、乾いたタオルを指に巻いて軽く擦ったり、つま楊枝を10本くらいまとめてゴムで止め、持ち手の方(とがっていない方)で軽く叩いたりしてあげるのも良いでしょう。刺激した部分の皮膚が軽く赤みをおびるくらいで十分です。決して強く刺激しないでください。
 大切なのは、子供が「心地よい」と感じ、長く継続できることです。1回の時間はそんなに長い時間は必要ないので、スキンシップをとりながら、仲良くやってください。毎日続けることで、普段は気付かない子供のサインを見つけるきっかけにもなりますよ。
 また、ドライヤーの「弱」でツボを温めることも良いでしょう。
 
●百会(ひゃくえ)  

ツボの取り方:左右の耳介(軟骨の部分)を前に折り、できたてっぺんに左右の親指を置き、それぞれの中指を頭頂部に置きます。中指の指先が当たるところ(真ん中)に取ります。

百会
 
●だん中(だんちゅう)  

ツボの取り方:左右の乳頭のまん中で、胸のまん中にある骨の上に取ります。第4肋骨と同じ高さになります。

だん中

●身柱(しんちゅう)  
ツボの取り方:「きをつけ」の姿勢で、肩甲骨(背中に左右ある逆三角形の平たい骨)の左右の内上角を結んだ線と、背骨の交叉した点にあたるのが「第3胸椎」となります。その骨とそのすぐ下の骨(第4胸椎)との間にあるくぼみに取ります。
身柱

 

●関衝(かんしょう)
ツボの取り方:手の薬指の爪の付け根で、小指側に取ります。
※このツボは軽くつまんでもんであげてください。
関衝
 

夜泣き(疳虫)

●鳩尾(きゅうび)
ツボの取り方:いわゆる「みぞおち」の部分で、胸のまん中にある太い骨の下端に取ります。 鳩尾
 

小児喘息の発作予防

●肺兪(はいゆ)  
ツボの取り方:上記身柱穴から指2本外側に取ります。 肺兪
 
●定喘(ていぜん)  
ツボの取り方:頭を前に倒し、左右に動かした時、首の後ろの丸い突起を触り、動いている骨と動いていない骨を見つけます。動いている骨が頸椎と言われる骨で、動いている骨の一番下の骨(動いていない骨のすぐ上)が第7頸椎となります。その第7頸椎の直下の点から指1本分外側に取ります。 定喘
 
●尺沢(しゃくたく)  
ツボの取り方:肘を曲げた時、肘の内側のまん中にスジがはっきり触れます。その外側(親指側)にできるくぼみに取ります。 尺沢
 
 

 たくさんの愛情をかけながらこの様な症状で悩んでいる親御さんもいらっしゃることでしょう。子供には親御さんの愛情が一番の薬ですよね。親御さんが元気で、笑顔で、温かい手でさすってあげてください。そして、鍼灸師もお手伝いができますので、頼ってみてください。
 ご紹介しているツボは、元気な子供でも、免疫力の維持・向上や風邪の予防など、活用できます。過去ご紹介した様々な症状のツボも、小児のツボの刺激の仕方をすると、とても効果的ですので、チョイスして、親子やおじいちゃん・おばあちゃんと孫など、一緒に元気になってはいかがでしょうか?
 次回も「小児の症状」のツボをご紹介します。


岩下 登 (岩下鍼灸院 院長)
著者

岩下鍼灸院 院長
岩下 登

Noboru Iwashita


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