岩下登の健康のツボ 〜疲労回復や健康維持に役立つ方法〜
 

第15回 症状とツボ 〜その14 呼吸器の症状〜

 みなさん、こんにちは。岩下です。そして、今年も宜しくお願いします。
 今回はかなり遅くなりました。めっきり寒くなりましたね。「今度の冬はいつもよりこたえるわ」という患者さんの声を多く聞きます。これまでの気温が高かった分、平年並みの気温になってもひどく寒くなったように感じるのでしょう。体が寒さに慣れるまで体調を崩しやすいと思います。当院でも風邪をひいたり、腰を痛めたり…と様々な症状が出現して駆け込む患者さんが年末年始に増えています。
 是非、これまでご紹介したツボを活用して、色々な症状の予防をしていただけたら…と思います。

 今回は呼吸器に関連するツボをご紹介します。前回ご紹介した『口・のどの症状』やずっと前にご紹介した『鼻の症状』のツボも、呼吸器の症状に有効なものです(鼻・口からのども「上気道」と言われ、呼吸器の一部です)。
 この時期に出現しやすい呼吸器の症状は、「風邪」「喘息」、慢性呼吸器疾患をお持ちの方は、冷たい空気を吸い込むことによっての呼吸困難などがあげられるでしょう。そのような症状の予防にツボを活用してください。
 ただし、風邪やインフルエンザなど、細菌やウイルスの感染による症状が出現した場合は、速やかにかかりつけのお医者さんへ受診されることを強くおお奨めします。

〜 ツ ボ の 押 し 方 ( 全 ツ ボ 共 通 ) 〜
 押す力の強さは「気持ちがいいと思える強さ」にします。強弱は好みがあると思いますが、強ければよいというものではありません。部位によって使用する指を記載しています。押しやすさと指による力加減を考慮しています(力の強さ…親指>人差し指>中指>薬指)。
  すべてツボは、ゆっくり息を吐きながら5秒ほど押し、息をゆっくり吸いながら5秒ほどかけて指の力を抜いてください。これを一ヶ所5〜10回を目安に繰り返してください。体調によって回数を加減した方がよいでしょう。リラックスして押してくださいね。
 ※ツボは、「反応点(症状が現れる点)」でもあり、治療点でもあります。触っただけでも痛みを感じる場合は、「実証」と言い、不必要な気・血・水が滞っている状態で、このような場合はさするだけで十分です。痛みをこらえて押すと逆効果です。逆に、押して気持ちがいい場合は「虚証」であることがおおく、これは必要な気・血・水が不足している状態と考えられます。この場合は、上記のツボの押し方を実践してください。

呼吸器

●風門(ふうもん)  

ツボの取り方:頭を前に倒し、左右に動かした時、首の後ろの丸い突起を触り、動いている骨と動いていない骨を見つけます。動いていない骨が胸椎といわれる骨の1番目になります。このツボは、第2胸椎(2番目の骨)の直下の点から指2本外側に取ります。
押す指:自分で手が届く人は中指。人に押してもらう時は親指で軽く押す。

風門
 
肺兪(はいゆ)
ツボの取り方:上記風門穴で目印にした第2胸椎の一つ下(第3胸椎)の直下の点から指2本外側に取ります。
押す指:自分で手が届く人は中指。人に押してもらう時は親指で軽く押す。
肺兪
 
●定喘(ていぜん)  

ツボの取り方:頭を前に倒し、左右に動かした時、首の後ろの丸い突起を触り、動いている骨と動いていない骨を見つけます。動いている骨が頸椎と言われる骨で、動いている骨の一番下の骨(動いていない骨のすぐ上)が第7頸椎となります。その第7頸椎の直下の点から指1本分外側に取ります。
押す指:人差し指

定喘

※上記3穴はカイロで温めたり、タオルなどで冷やさないようにすることをお勧めします。風邪の予防、喘息発作の予防、その他呼吸器症状の予防に大変効果的です。また、乾布摩擦も良いでしょう。擦り過ぎにはご注意を。
●天突(てんとつ)  
ツボの取り方:左右の鎖骨の間で、胸骨(胸のまん中にある太い骨)の上際に取ります。
押す指:人差し指
天突

 

●太谿(たいけい)
ツボの取り方:足の内くるぶしのてっぺんとアキレス腱の中間点に取ります。
押す指:中指
太谿
 
●風池(ふうち)
第2回「頭痛・頭重感」参照。  
 
●尺沢(しゃくたく)
第13回「口・のどの症状」参照。
 

 風邪やインフルエンザが流行する季節です。予防には保温と加湿が重要です。温かいものを食べて、保温をして、部屋の加湿を十分におこなってください。
 みなさん、今年一年、お疲れ様でした。来年も色々なツボをご紹介いたしますので、どうぞ宜しくお願いします。お体を大事にされて、良いお年をお迎えくださいね。
 次回は『泌尿器の症状』のツボをご紹介します。


岩下 登 (岩下鍼灸院 院長)
著者

岩下鍼灸院 院長
岩下 登

Noboru Iwashita


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