〜 ツ ボ の 押 し 方 ( 全 ツ ボ 共 通 ) 〜
押す力の強さは「気持ちがいいと思える強さ」にします。強弱は好みがあると思いますが、強ければよいというものではありません。部位によって使用する指を記載しています。押しやすさと指による力加減を考慮しています(力の強さ…親指>人差し指>中指>薬指)。
すべてツボは、ゆっくり息を吐きながら5秒ほど押し、息をゆっくり吸いながら5秒ほどかけて指の力を抜いてください。これを一ヶ所5〜10回を目安に繰り返してください。体調によって回数を加減した方がよいでしょう。リラックスして押してくださいね。 |
※ツボは、「反応点(症状が現れる点)」でもあり、治療点でもあります。触っただけでも痛みを感じる場合は、「実証」と言い、不必要な気・血・水が滞っている状態で、このような場合はさするだけで十分です。痛みをこらえて押すと逆効果です。逆に、押して気持ちがいい場合は「虚証」であることがおおく、これは必要な気・血・水が不足している状態と考えられます。この場合は、上記のツボの押し方を実践してください。 |
五十肩 |
※急性の症状(急に腫れた・熱感がある・急に激しい痛みが出たなど)が見られた場合は強く押したり動かしたりしないでください。痛む部分の安静と冷却が必要です。痛みが出始めて3日から1週間くらい経過したら慢性期に入ったと判断していいので、温めたり動かしたりしてください。冷やすのはお勧めできません。 |
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●肩ぐう(けんぐう) |
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ツボの取り方:肘を伸ばした状態で腕を横に90°挙げたとき、腕の付け根にできるくぼみに取ります。 |
押す指:反対の中指 |
●肩りょう(けんりょう) |
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ツボの取り方:腕の付け根に触れるアーチ状の骨の後端にある角の下に取ります。 |
押す指:反対の中指 |
●天宗(てんそう) |
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ツボの取り方:肩甲骨のほぼ中央に取ります。 |
押す指:反対の中指
※手首を動かしながらツボを軽く押すやり方もお勧めです。 |
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その他、肩こりのツボ(第1回参照)も一緒に押してください。
※慢性の症状では動かすことがとても大切です。痛いからといって動かさずにいると、関節が固まってしまう可能性がとても高くなります。関節は動かすことで関節の周囲の組織に栄養が行き届く仕組みになっています。温めると動かしやすくなりますので、ホットパックやお風呂を活用し、温めた後、肩の関節を広げるイメージでゆっくりと回してみましょう。また、うずくような痛みが出たときは、血液の流れが悪くなったサインなので、息を吐きながら、動く範囲で腕を回してください。しばらくすると楽になります。
※ホットパックが無い場合、濡らしたタオルやコンニャクを袋に入れて、電子レンジで温め、乾いたタオルや手ぬぐいで包むととても良いホットパックになります。
※痛い方の腕をどうしても自力で動かせない場合、タオルや腕の長さくらいの棒を両手で持ち、痛みが無い方の腕で痛い方の腕をゆっくり引っ張ってみてください。
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テニス肘 |
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どちらの疾患も黙っていては治りません。一日でも早く治療を始めることをお勧めします。
次回は『女性特有の症状』についてご紹介します。 |
岩下 登 (岩下鍼灸院 院長) |