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第1回 鍼灸について |
はじめまして。鍼灸師の岩下です。今回より、鍼灸(はり・きゅう)治療のことや径穴(つぼ)のことをこのページをお借りしてご紹介致します。皆様の日常生活の中で、疲労回復や健康維持に活かしていただければ幸いです。
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東洋医学の病気のとらえ方
西洋医学と東洋医学は、“人間の体を良くしていく”という考えは共通していますが、病気になった人間のとらえ方(原因・症状など)、治療方針の立て方などで大きな違いがあります。東洋医学では、人間の身体は気と血が集まり、それが体中を流れていることによって、生命活動を維持しているととらえ、これらの流れが滞ることで病気になると考えます。そして、局所の症状であっても全身を診て、治療も全身的に行います。西洋医学ほどスピード感はありませんが、その人が持つ「自然治癒力」を大切にし、活かしてゆっくり治していく、または良い状態へ導く、さらに良い状態を維持していく、優しい治療法とも言えるでしょう。
つぼとは
つぼは、長い歴史の上で経験的に見つけられた体表上にある点で、代表的なつぼは全身に365個あります。体に異常(気と血の滞り)がみられるときの反応点であり、その異常を改善するための治療点でもあります。
また、つぼは気と血の流れにしたがって、14本のルートに分かれています。これを経絡といいます。経絡とつぼは、鉄道の線路と駅のような関係です。例えば、歯痛があるとき、腕のつぼを押すと痛みが軽くなりますが、これは、そのつぼがそれに関する経絡の上にあるからなのです。
鍼灸治療
つぼを使った治療には、人間本来の持っている「自然治癒力」を高め、弱っている部分を回復させる効果があります。その代表的な治療法が鍼灸です。鍼灸でつぼを刺激することで、気と血の流れを調整し、「自然治癒力」を高め、治すことができるのです。
また、病気や症状を良くするばかりでなく、継続することで体質を改善し、病気にかかりにくい身体にすることもできます(予防医学)。現在は世界の多くの国で、代替医療(西洋医学を助ける医療)としても用いられています。
鍼灸治療の作用
- 鎮痛作用
- 血行促進作用
- 自律神経・ホルモン調整作用
- 免疫向上作用
- リラクゼーション作用
☆副作用がないことも鍼灸治療の大きな利点です。
初めての方へ
鍼には、縫い針や注射針のイメージがあり、“痛いのでは?”と思われる方が多いようです。しかし、鍼治療を経験された多くの方が「想像していたより痛くなかった」、「もっと早く来院すればよかった」と言われます。鍼は非常に細いものを使用しますので、注射のような痛みはありません。
お灸は基本的に台座のあるお灸(いわゆるせんねん灸)を使用していますので跡はつきません。症状により直灸を行います。初めは強い熱さを感じますが、「つ(瘢痕)」ができると熱さを感じなくなり、心地よい熱さとなります。効果もすばらしいものがあります。
治療効果と治療回数
鍼灸治療の効果は、発病して日が浅いものほど早く現れます。一回の治療で激しい症状がぴたりと治ることもありますが、症状が慢性化すると、少し気長に治療を続ける必要があります。症状により毎日、一日おき、二日おき、または一週間に一回程度で軽快していく場合もあります。治療者と患者さんと話をして、良い治療プランを立てると良いでしょう。また、定期的な治療をすることで、疾病予防・体質改善・健康維持ができます。
こんな方にお勧め
- 慢性的な痛みをお持ちの方。
(腰痛・肩こり・膝痛・神経痛・五十肩・偏頭痛など)
- 急性の痛みが出た方。
(ぎっくり腰・ねんざなど)
- アレルギーでお悩みの方。
- リウマチなどでの関節炎をお持ちの方。
- ストレスでいろんな症状をお持ちの方。
- 交通事故などでの外傷性の痛みをお持ちの方。
(むち打ち症・骨折ギプス固定後の痛みなど)
※鍼灸師に気軽にご相談ください。 |
岩下 登 (岩下鍼灸院 院長) |
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